双子でもNIPTは受けられる?検査の精度・費用や結果の見方を解説
双子を妊娠しているとわかったとき、「NIPTは双子でも受けられるの?」「1人だけに染色体疾患があった場合もわかる?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
NIPTは双子の妊娠でも受けられる検査で、21トリソミー(ダウン症候群)については単胎妊娠と同程度の高い精度が報告されています。ただし、陽性の場合に2人のどちらに関係する結果なのかはNIPTだけでは判断できず、判定保留やバニシングツインなど、双子ならではの注意点もあります。
この記事では、双子のNIPTでわかることと検査精度、受けられる時期と費用、陽性・陰性だった場合の対応について解説します。検査を受けるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
双子でもNIPTは受けられるが、胎盤の状態で結果の見方が変わる

双子を妊娠している場合でも、NIPTを受けることは可能です。ただし、すべての医療機関が双胎妊娠に対応しているわけではありません。また、双子が一卵性か二卵性か、胎盤を共有しているかどうかによって、結果の解釈や妊娠中の管理が変わります。
双胎妊娠に対応した医療機関で受けられる
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、妊婦さんの血液中に含まれる胎盤由来のDNA断片を分析し、赤ちゃんに特定の染色体疾患がある可能性を調べる検査です。双子の場合も、妊婦さんから採血するという方法は変わりません。
ただし、双胎妊娠では2人分の胎盤由来DNAが混ざった状態で分析するため、単胎妊娠よりも結果の解釈が複雑になります。双子のNIPTを受け付けていない医療機関もあるため、受検前に対応の有無を確認しておきましょう。
花レディースクリニックは、日本医学会の認証を受けたNIPT連携施設として、双胎妊娠のNIPTにも対応しています。妊娠の経過や胎盤の状態によって個別の判断が必要になる場合もあるため、検査前の遺伝カウンセリングで医師にご相談ください。
一卵性・二卵性や胎盤の状態によって違いがある
一卵性は1つの受精卵が分かれて育った双子、二卵性は2つの卵子がそれぞれ受精して育った双子を指します。それぞれの違いは次のとおりです。
項目 | 一卵性双胎 | 二卵性双胎 | |
受精卵 | 1つ | 2つ | |
遺伝情報 | 基本的に共通する | それぞれ異なる | |
胎盤 | 共有する場合と別々の場合がある | 原則として別々 | |
NIPTの注意点 | 原則として共通する染色体構成を持つが、 | 例外もある | 片方だけに染色体疾患がある可能性がある |
胎盤を共有する双子は「一絨毛膜双胎」、それぞれに胎盤を持つ双子は「二絨毛膜双胎」と呼ばれます。一卵性でも胎盤が分かれているケースがあるため、卵性と胎盤の状態は必ずしも一致しません。
胎盤の状態は、NIPTの結果の解釈だけでなく、陽性時の確定検査の方法や妊娠中の管理にも関わります。妊娠初期の超音波検査で確認しておきましょう。
双子のNIPTでわかること・わからないこと
双子のNIPTで調べられるのは、主に21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性です。ただし、2人それぞれの染色体を個別に調べる検査ではないため、結果の受け止め方には注意が必要です。
21・18・13トリソミーの可能性を調べられる
双子のNIPTでも、単胎妊娠と同様に、次の3つの染色体疾患の可能性を調べられます。
対象となる疾患 | 特徴 |
21トリソミー(ダウン症候群) | 21番染色体が通常より1本多い状態 |
18トリソミー | 18番染色体が通常より1本多い状態 |
13トリソミー | 13番染色体が通常より1本多い状態 |
NIPTは、これらの染色体疾患の可能性が高いか低いかを調べるスクリーニング検査で、診断を確定するものではありません。ほかの染色体疾患や遺伝性疾患、心臓や脳などの形の異常もNIPTでは評価できないため、超音波検査などを組み合わせて赤ちゃんの状態を確認していきます。
2人のうち、どちらに染色体疾患の可能性があるかはわからない
双子のNIPTは、妊婦さんの血液に含まれる2人分のDNA断片をまとめて分析します。そのため、一般的な検査では、2人それぞれについて結果が示されるわけではありません。
例えば、二卵性の双子で21トリソミーが陽性となった場合、次のような可能性が考えられます。
1人に21トリソミーがある
2人とも21トリソミーがある
実際には2人とも21トリソミーではなく、偽陽性だった
NIPTの結果だけでは、これらを区別できません。どちらの赤ちゃんに関係する結果なのかは、確定検査で一人ひとり調べて判断します。
双子のダウン症候群の確率は一卵性か二卵性かで考え方が異なる
双子のダウン症候群の確率は、一卵性か二卵性かによって考え方が変わります。
二卵性の場合、2人はそれぞれ別の受精卵から育っているため、赤ちゃん1人あたりの確率は、同じ年齢の妊婦さんの単胎妊娠と同程度とされています。ただし、2人のうち少なくとも1人にダウン症候群がある確率で考えると、単胎妊娠よりも高くなります。
一方、一卵性の場合は、2人の染色体構成が原則として共通しているため、妊娠全体の確率は単胎妊娠と大きく変わらないと考えられています。
実際の確率は妊婦さんの年齢によっても変わるため、一律に「何人に1人」と示すことはできません。ご自身の場合については、年齢や超音波所見を踏まえて医師から説明を受けましょう。
双子の性別はNIPTではわからない
日本のNIPT認証施設では性別を検査対象としていないため、<strong>花レディースクリニックでもNIPTによる性別の判定・通知は行っていません。</strong>
なお、海外などの一部の検査ではY染色体由来のDNAから男の子が含まれる可能性を評価できますが、一般的な方法では「2人とも男の子」か「1人だけ男の子」かまでは区別できない場合があります。性別を知りたい場合は、妊婦健診の超音波検査について担当医に相談してください。
双子でもNIPTの精度は高いが、判定保留などに注意

双子のNIPTでも、21トリソミーについては単胎妊娠と同程度の高い精度が報告されています。一方で、胎盤由来DNAの割合やバニシングツインの有無によっては、正確な判定が難しくなることもあります。
双子でも21トリソミーの検出精度は高い
2025年に医学誌「Ultrasound in Obstetrics & Gynecology」に掲載された、35研究を統合したシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、双胎妊娠におけるNIPTの感度が次のように報告されています。
対象疾患 | 感度(検出率) |
21トリソミー | 98.8% |
18トリソミー | 94.9% |
13トリソミー | 84.6% |
感度とは、実際に対象疾患がある妊娠のうち、検査で正しく陽性と判定できる割合のことです。この研究では、21トリソミーの特異度(疾患がない妊娠を正しく陰性と判定できる割合)も100%と報告されており、一絨毛膜双胎と二絨毛膜双胎で精度に大きな差はみられませんでした。ただし、18・13トリソミーは該当する症例数が少なく、数値にはまだ不確実性があります。
なお、感度98.8%は「陽性だった場合に98.8%の確率で疾患がある」という意味ではありません。陽性のときに実際に疾患がある割合は「陽性的中率」と呼ばれ、妊婦さんの年齢などによって変わります。
関連記事:NIPTの精度はどのくらい?陽性的中率や偽陽性・偽陰性を解説
胎盤由来DNAの割合によって判定保留になることがある
NIPTで正確な分析を行うには、妊婦さんの血液中に一定以上の胎盤由来DNAが含まれている必要があります。二絨毛膜双胎では、2人の胎盤から放出されるDNAの量が同じとは限らず、全体としては十分な量があっても、片方の赤ちゃんに由来する割合が低くなる場合があります。そのため、単胎妊娠よりも判定保留になりやすいとする報告があります。
判定保留とは、陽性・陰性のどちらとも判定できない状態です。染色体疾患があると決まったわけではありませんが、問題がないと判断できるわけでもありません。
判定保留となった場合は、超音波検査で妊娠の状況を確認したうえで、再採血や確定検査を検討します。花レディースクリニックでは、判定保留による再検査に追加料金はかかりません。
バニシングツインがある場合は結果に影響する可能性がある
バニシングツインとは、妊娠初期に確認された双子のうち、片方の胎児の発育が止まり、もう片方の妊娠だけが続いている状態を指します。
発育が止まった胎児の胎盤由来DNAは、しばらくのあいだ妊婦さんの血液中に残る可能性があります。そのため、妊娠を継続している赤ちゃんに対象疾患がなくても、NIPTで陽性と判定されるなど、結果に影響することがあるのです。
現在の超音波検査で胎児が1人しか確認できなくても、妊娠初期に双子だったとわかっている場合は注意してください。通常のNIPTでは正確な評価が難しいこともあるため、検査を受けるべきかや、ほかの出生前検査について専門医に相談しましょう。
双子のNIPTを受けられる時期・費用と事前の確認ポイント
双子のNIPTの受検時期や費用は、基本的に単胎妊娠と変わりません。ただし、陽性だった場合の確定検査のスケジュールも見越して、早めに相談しておくと安心です。
妊娠10〜16週に受けられ、10〜14週での相談がおすすめ
NIPTは、胎盤由来DNAを十分に分析できる時期を考慮し、一般的に妊娠10週以降に行われます。花レディースクリニックでは、妊娠10〜16週を検査可能期間とし、妊娠10〜14週での相談をおすすめしています。結果の説明は、採血から2週間程度が目安です。
陽性だった場合の確定検査は、絨毛検査なら妊娠12〜14週、羊水検査なら妊娠16〜18週に行います。妊娠週数が進んでいると選べる検査が限られることもあるため、事前の超音波検査で胎児の人数や胎盤の状態を確認したうえで、できるだけ早めに相談しておきましょう。
関連記事:NIPTはいつからいつまでできる?検査期限について解説
検査費用はNIPT本体108,900円(税込)
NIPTは原則として自費診療で、料金は医療機関によって異なります。双胎妊娠だからといって、必ずしも単胎妊娠の2倍の費用がかかるわけではありません。
花レディースクリニックの料金は次のとおりです。
項目 | 料金(税込) |
NIPT | 108,900円 |
遺伝カウンセリング(初回) | 11,000円 |
遺伝カウンセリング(2回目以降) | 5,500円 |
※別途、自費の初診料・再診料がかかります。結果説明時にも遺伝カウンセリング料が必要です。
当院でNIPTを受けて陽性となった場合、確定検査の費用は追加でかかりません。双胎妊娠では2人分の検体採取が必要になる場合もあるため、双子特有の費用については事前にご確認ください。料金を比較する際は、NIPT本体の金額だけでなく、遺伝カウンセリングや陽性時の確定検査まで含めた総額で考えましょう。
双子のNIPTを受ける前に確認したいこと
双胎妊娠でNIPTを検討する際は、次の項目を事前に確認しておきましょう。
双胎妊娠に対応している医療機関か(認証施設かどうか)
一絨毛膜双胎・二絨毛膜双胎のどちらに該当するか
妊娠週数が検査可能な期間に入っているか
バニシングツインなど、結果に影響する状況がないか
陽性や判定保留だった場合にどのような対応を受けられるか
確定検査を含めた費用がいくらかかるか
なお、双胎妊娠では母体血清マーカー検査(クワトロ検査)などのほかの非確定検査は精度が下がるとされています。どの検査を選ぶかについても、遺伝カウンセリングで相談できます。
検査を受けるかどうか、結果を知った後にどうしたいかを、事前にパートナーと話し合っておくのも1つの方法です。遺伝カウンセリングでは、検査を受けないという選択についても相談できるため、納得したうえで判断するために活用してください。
双子のNIPTが陽性・陰性だった場合はどうする?

陽性の場合は確定検査を検討し、陰性の場合も妊婦健診で2人の発育を確認していきます。結果ごとの対応は次のとおりです。
陽性だった場合は羊水検査などの確定検査を検討する
双子のNIPTで陽性となっても、その結果だけで染色体疾患があると確定するわけではありません。診断を確定するには、羊水検査や絨毛検査が選択肢となります。
双胎妊娠では、胎盤や羊膜の状態によって確定検査の方法が異なります。二絨毛膜双胎では、それぞれの赤ちゃんから検体を採取する必要がある場合があります。一絨毛膜双胎でも、2人の超音波所見に違いがあるときなどは、個別に検査することが検討されます。
羊水検査や絨毛検査には、穿刺に伴う流産などのリスクもあります。検査で得られる情報とリスクの両方について、十分に説明を受けたうえで判断しましょう。
花レディースクリニックでは、NIPT陽性後の確定検査にも院内で対応しています。双胎妊娠では個別の判断が必要になるため、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで、今後の検査について一緒に考えていきます。
関連記事:NIPTで陽性と言われたらどうする?確定検査や相談の流れを解説
陰性でも定期的な超音波検査は必要
NIPTで陰性だった場合は、対象となる3つの染色体疾患の可能性は低いと評価されます。ただし、赤ちゃんに病気や異常がないことまで保証されたわけではありません。
特に双胎妊娠では、2人の発育に差が出ることや、胎盤を共有することによる合併症にも注意が必要です。例えば一絨毛膜双胎では、胎盤の血管を通じて2人のあいだの血液の流れに偏りが生じる双胎間輸血症候群(TTTS)が起こることがあります。こうした問題はNIPTではわかりません。
NIPTが陰性でも、妊婦健診で超音波検査を受けながら、2人の発育や胎盤の状態を確認していきましょう。
まとめ | 双子のNIPTは特徴を理解したうえで検討しよう
双子を妊娠している場合でも、NIPTを受けることは可能です。21トリソミーについては単胎妊娠と同程度の高い精度が報告されており、双胎妊娠でも出生前検査の選択肢の1つになります。
ただし、陽性だった場合でも、どちらの赤ちゃんに関係する結果なのかはNIPTだけでは特定できません。胎盤の状態によっては判定保留になることもあり、バニシングツインがある場合は結果に影響する可能性もあります。検査を受けるかどうかは、こうした特徴を理解し、結果が出た後の対応も含めて考えておくと安心です。
花レディースクリニックは、日本医学会の認証を受けたNIPT連携施設として横浜市立大学附属病院と連携し、双胎妊娠のNIPTにも対応しています。臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、陽性時の絨毛検査・羊水検査まで院内で対応可能です。紹介状がなくても受診できますので、双子のNIPTを受けるか迷っている方や、検査について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
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