妊娠すると必ず出るホルモン(HCG)があり、それを尿の検査薬で確認します。そのため原則尿検査による妊娠反応陽性であれば、妊娠しているということなのです。ただ女性の約7人に1人は流産します(母体年齢が上がれば流産率も高くなります)。そのため妊娠確認が必要となります。
妊娠5週頃 子宮内に胎嚢(赤ちゃんの袋)を確認します。確認できない場合は、異所性妊娠(子宮外妊娠)、生化学流産や胞状奇胎が疑われるため精密検査が必要です。
妊娠7週頃に胎児の心拍を確認します。心拍が確認できない場合は稽留流産の可能性があり、慎重に経過観察が必要です。
妊娠9週~10週頃に分娩予定日を確認します。妊娠9~10週頃の胎児の頭殿長(頭からおしりまでの長さ)は個人差が少なく、分娩予定日を確認するのにとても重要です。またこの週数まで来るとほとんど流産しなくなり、妊婦健診が始まります。
(当院では胎児心拍が確認できたところで母子手帳を区役所に取りに行っていただきます。)
分娩施設については、胎児心拍が確認できたところまたは分娩予定日が確認されたところで考えていくのが良いと思います。(当院では分娩を扱っておりません)
① どこで分娩をするのか自宅の近くで分娩予定なのか、帰省して分娩予定なのかを決めていきます。
分娩施設は、住んでいる場所または帰省する場所から少なくとも車で1時間以内(できれば30分以内)が望ましいです。
② どこで妊婦健診を行っていくのか自宅の近くで分娩予定の方は、3つの選択肢があります。
当院では3つとも対応しています。(当院の妊婦健診については
こちら)
- 分娩施設で妊婦健診
- 近くの産婦人科クリニックで妊娠31週まで妊婦健診(帰省分娩方式)
- 近くの産婦人科クリニックで妊娠39週まで妊婦健診(セミオープン方式)
分娩施設で妊婦健診することで、その施設の様子がわかり安心できるメリットがあります。ただ総合病院等では、時間がかかることや平日の決まった時間しか診療していないことから日程調整が難しい場合もあります。そのような場合は、帰省分娩方式やセミオープン方式で妊婦健診を行うことも選択肢となります。(当院では横浜市立市民病院とセミオープン方式での連携を行っております)
帰省して分娩予定の方は、妊娠32~34週以降は分娩施設で妊婦健診を行うことが多いです。それまでは、近くの産婦人科クリニックで妊婦健診(帰省分娩方式)を行います。(当院でも対応可能です)
③ どのような分娩を望んでいるのか無痛分娩を行っている施設が多くなっています。ただどのように無痛分娩を行っているのか等についての情報はあまり多くありません。そのため無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)では一般の方への情報提供を行っていますのでご確認ください。→
https://www.jalasite.org/その他にもNICU(新生児集中治療室)がある施設や緊急時に対応できる施設(麻酔科医がいる・小児科医がいる・輸血の体制・ICU(集中治療室)がある等)の情報も重要になってきます。もちろん分娩費用についても重要だと思います。
当院では、妊婦さんのさまざまご希望に寄り添いながら、分娩施設を相談していきます。