NIPTとは？新型出生前診断の概要や費用目安を解説 | 横浜市鶴ヶ峰駅前の産婦人科・女性内科

妊娠がわかった後、多くの方が気になるのが「赤ちゃんの健康状態を早く知りたい」という思いです。その中で耳にする機会が増えているのが「NIPT（非侵襲性出生前遺伝学的検査）」です。従来の検査よりも精度が高いとされ、母体への負担も少ない方法として注目されていますが、仕組みや対象となる疾患、受けられる時期や費用などを調べてみると情報が多く、かえって迷ってしまう方も少なくありません。さらに、検査の精度や限界、認証施設と非認証施設での対応範囲の違いなども理解しておくことが安心につながります。

この記事では、NIPTの基本的な特徴や対象疾患、受検時期や費用、他の出生前診断との違い、注意点までを整理して解説します。NIPTを検討している方はぜひ参考にしてください。

NIPTとは？新型出生前診断の基本解説 NIPTとは、母体から採取した血液に含まれる胎児由来のDNA断片を解析し、染色体の数的異常を調べる検査です。従来の母体血清マーカー検査などに比べて精度が高く、妊娠中の母体に与える負担も少ないのが特徴となります。

採血だけで済むため、流産のリスクを伴う羊水検査や絨毛検査と比べて安心して受けやすい点も注目されています。出生前診断の中でも比較的新しい方法であり、妊娠初期から利用できるため、多くの妊婦さんが検討する選択肢のひとつとなっています。

NIPTで調べられる染色体異常の範囲 NIPTで主に調べられるのは、染色体の数が通常よりも1本多い「トリソミー」と呼ばれる異常です。代表的には21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの3種類が対象となります。いずれも出生後の発達や健康に大きな影響を及ぼす疾患であり、出生前診断で重視されています。

認証施設では、この３つのトリソミーを対象としています。非認証施設では、オプションとしてその他の染色体についても対象としています。

代表的な3つのトリソミー NIPTで調べられる代表的なトリソミーには、21トリソミー（ダウン症候群）、18トリソミー、13トリソミーが挙げられます。いずれも染色体が通常より1本多い状態であり、心臓や臓器の発育、知的発達などに影響を与えることがあります。

出生後の生活に大きな課題を伴うことがあるため、NIPTの主要な検査対象に含まれています。ただし、NIPTはあくまで可能性を示すスクリーニング検査であり、確定的な診断とはならない点を理解しておくことが重要です。

施設によって異なる性染色体検査 NIPTで性染色体の異常を調べられるかどうかは施設によって異なります。性染色体異常は症状の幅が広く、軽度の場合もあれば重度の発達特性を伴う場合もあります。そのため、日本医学会が認証している施設では対象外となっていることが多く、検査を希望する場合は非認証施設に限られることが少なくありません。

どの範囲を検査できるかは事前に確認する必要があり、施設の方針や遺伝カウンセリングでの説明を受けた上で検討することが重要です。

NIPTを受けられる時期と検査の流れ NIPTは妊娠10週以降から受けることができ、母体血清マーカー検査や羊水検査と比べても早い段階で利用できるのが特徴です。受検可能な上限週数は施設ごとに異なりますが、多くの施設で10〜16週に実施されます。11〜14週の絨毛検査や15週以降の羊水検査に備える意味でも、早めの受検が追加検査の選択肢を確保しやすくなります。

検査の流れは、医療機関での事前相談や遺伝カウンセリングを受けた後に採血を行い、数日から1週間程度で結果が返ってくるのが一般的です。結果が陽性だった場合には、確定診断として羊水検査や絨毛検査を勧められることになります。

NIPTの精度と限界を理解する NIPTは他の非確定検査に比べて精度が高いとされていますが、100％正確というわけではありません。偽陽性や偽陰性が起こる可能性があり、その背景には胎盤だけに異常がある「胎盤限局性モザイク」や、妊娠初期にもう1人の胎児が消失する「vanishing twin(妊娠初期の双子のうち1人が亡くなってしまった状態)」、さらには母体側の要因などが関わる場合があります。

そのため、NIPTの結果はあくまでリスクの有無を示すものであり、確定診断ではない点を理解することが欠かせません。結果をどう受け止めるかは、医師や遺伝カウンセラーと相談しながら慎重に考えることが大切になります。

認証施設と非認証施設の違いとは NIPTを受けられる施設には、日本医学会の認証を受けた施設と、そうでない非認証施設があります。認証施設では対象を21・18・13トリソミーに限定し、遺伝カウンセリングを義務付けるなど、検査体制が厳格に整えられています。

一方、非認証施設では性染色体異常を含む幅広い検査を案内している場合もありますが、カウンセリングの体制や情報提供が十分でないケースもあります。施設選びをする際は、検査対象の範囲だけでなく、安心して相談できるサポート体制があるかどうかも確認しておくと安心です。

NIPTの費用目安と検査機関ごとの特徴 NIPTの費用は施設によって幅があり、全体としてはおおむね10〜２０万円程度が中心です。ただし、認証施設と非認証施設（オプションあり）の違いや、遺伝カウンセリング料・初診料などの扱いによって金額が変わります。

実際には、認証施設でも基本検査で約9.6万円から19.8万円程度まで差があり、非認証施設でも8〜40万円台のプランが提示されるケースがあります。料金だけでなく、結果説明の方法やアフターフォロー体制がどう整えられているかを含めて比較することが、安心できる選択につながります。

NIPTと他の出生前診断の違い NIPTは母体からの採血で行えるため、羊水検査や絨毛検査に比べて流産のリスクがなく、妊娠初期から利用できる点が特徴です。一方で、結果はあくまでスクリーニング検査の範囲であり、確定診断にはならないという限界があります。

母体血清マーカー検査や超音波検査は費用が比較的抑えられますが精度が低めであるのに対し、NIPTは精度が高い分、費用や受検条件に制限があるのが実情です。検査の特性を理解し、自分にとってどの方法が合っているのかを考えることが重要となります。

NIPTを検討する際に意識したい注意点 NIPTを受ける際には、事前にいくつかの点を意識しておくことが大切です。まず、結果が陽性となった場合には確定診断として羊水検査や絨毛検査を受ける必要があり、その際の身体的・精神的な負担も想定しておく必要があります。また、検査結果をどのように受け止めるかは個人や家族によって異なるため、事前にパートナーや家族と話し合っておくことが安心につながります。

さらに、施設ごとに検査対象の範囲や費用、カウンセリング体制には差があるため、複数の医療機関を比較したうえで選ぶことが望まれます。

結果を聞いた後のフォロー体制や、必要に応じて専門家に相談できる環境が整っているかどうかも重要な判断基準となります。このような準備を整えておくことで、検査後の不安や迷いを減らすことができます。

NIPTに関するよくある質問 NIPTを検討している方からは、受検条件や性別判定、費用の扱いなどについてよく質問が寄せられます。

ここでは特に関心の高いポイントを取り上げ、わかりやすく解説します。

NIPTは誰でも受けられるのですか？ NIPTは妊娠10週以降の妊婦さんであればだれでも受けることができる検査です。認証施設では、受検条件は施設ごとに運用が異なる場合があり、検査を受けられるかどうかや条件は、希望する医療機関に確認してください。

NIPTでは性別もわかるのですか？ 認証施設では対象外とされています。性染色体の情報を利用するため、精度はある程度保たれている一方で、倫理的な観点や情報の扱いに注意が必要です。

非認証施設で受けられるケースが多いものの、結果の伝え方やサポート体制に差があるため、希望する場合は必ず事前に確認しておくと安心です。

NIPTは医療費控除の対象になりますか？ NIPTは一般的に任意検査に分類されるため、医療費控除の対象外となることが多いです。ただし、医師の診断に基づいて実施された場合には対象になる可能性もあります。

領収書の記載内容や検査の目的によって判断が異なるため、必ず確認しておくことが重要です。医療費控除を検討している方は、検査を受ける前に医療機関や税務署に確認しておくと安心です。

まとめ｜NIPTを正しく理解して安心の検討を NIPTは妊娠10週以降から受けられる新しい出生前診断であり、採血のみで胎児の染色体異常の可能性を調べられる点が大きな特徴です。代表的な対象は21・18・13トリソミーで、施設によっては性染色体異常も検査対象となります。従来の検査に比べて精度は高いものの、偽陽性や偽陰性が生じる可能性があるため、結果を確定診断と捉えない姿勢が求められます。さらに、認証施設と非認証施設では対象範囲や費用に違いがあるため、どの施設で受けるかを慎重に選ぶことが欠かせません。NIPTの特徴や注意点を理解しておくことで、不安を少しでも和らげながら安心して検討を進められるでしょう。

NIPTの特徴や注意点を理解しておくことで、不安を少しでも和らげながら安心して検討を進められるでしょう。より詳しく知りたい方は「NIPTで何がわかる？対象疾患と限界を解説」や「NIPTはいつまで受けられる？時期と注意点」の記事も参考にしてください。

検査の選択や結果の受け止め方に迷うときは、専門の医療機関に相談することで不安を軽くすることができます。

特に安心できる環境で話を聞きたい方は、花レディースクリニックにご相談ください。